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建築知識

№4-1断熱についての考え方~リフォーム編~

しばらく建物のことについてお話をしておりませんでしたが、再開いたします。

断熱の考え方

断熱のありかたは何といっても冬の寒さから身を守ることです。山口県は暖かい県と言われていますが、ヒートショックで亡くなられているのは沖縄は当然ですが、北海道や青森よりも多いのです。このような実情の元、健康寿命が延びる研究の成果を、慶應義塾大学の伊香賀先生から講義も幾度とうけてきました。その中で私なりの回答は新築の場合とリフォームの断熱改修の場合と分けて考えないといけないということです。そこで今回はリフォームの観点でお話します。

夏場については別の機会にお話いたします。

リフォームの断熱改修の考え方

リフォームの断熱改修は現状寒いから暖かくしたいという切な願いが出発点です。しかも新築の時にはさほどコストもかからない工事もリフォームの断熱改修となると大掛かりな、解体作業から始まることが多いため新築と同じくらいの断熱性能を求める場合コストも予想以上にかかるのが実情です。そのためまず下記の点を検討し、どこが問題点でどの様な対応をしなければいけないかを考える事が重要です。

①外部からの隙間風が入るところはないか

②一般の住宅ではどの部位から冬場の熱の移動があるか

③どこの部屋を断熱しなければいけないか

主には以上の点です。

 

①隙間について

断熱の基本は気密です。いくら高性能な断熱材を使用しても隙間があればそこから冷気が入り暖気が逃げます。この隙間を止めるのが第一の策です。

隙間の原因として

Ⅰ サッシ回り

Ⅱ 土壁と柱の間

Ⅲ 天井や床と壁の取り合い

Ⅳ 床の隙間

などが考えられます。

Ⅰ の場合はサッシの性能が満たされていない可能性があります。

→対応方法はサッシの交換をお勧めしたいところですが、外壁を傷付けてしますので多くのコストがかかります。

そこで内窓をつけることをお勧めいたします。性能の高い樹脂製内窓をつけることで隙間風を防ぐのと断熱性能を向上させることと2つの効果があります。

(※実際は現地確認を行い判断をいたします)

Ⅱ・Ⅲ Ⅱの作りは真壁と言って柱と柱の間に小舞と土壁で施工してあるものですが土壁がやせたり、建物が動いたりしている可能性があります。またⅢの取り合いについては施工時のものや木のやせによるもの、建物が動いた事によるもの様々考えられます。

→対応方法はまず、

①コーキングなどで隙間をつぶす

②大壁構法にし、断熱材を入れる。

②を行うことでコスはかかりますが、部屋もきれいになりますし断熱材も入れられるのでお勧めいたします。この際の注意点は隙間を止めておかないと夏型結露を起こす可能性があります。注意が必要です。

Ⅳ 床から隙間風を感じる場合は捨て貼りがない工法が考えられます。

→床の強度が高ければカーペット等で対応可能でしょうが、強度に不安がある場合は断熱材を入れた床の張替えです。さらにリビングであれば床暖房をお勧めいたします。快適になると間違いなしです。(ただしランニングコストはかかりますが使用時間によるコストと、健康に過ごすのとを考えて導入を検討してください。今はランニングコストの抑えられた床暖房もありますのでご提案いたします)

 

②一般の住宅ではどの部位から夏と冬熱の移動があるか?

これは下記の図が示すように

冬場の熱の流出割合

Ⅰ 開口部     58%

Ⅱ 外壁・換気  それぞれ15%

Ⅲ 床       7%

といった順です。ですので熱の移動の多い所から順に攻めていきましょう

Ⅰ の対応方法はそのため先ほども話しました内窓が有効的です。しかもペアガラスはさほど高くありませんのでかなり有効だと思われます。一昨年明治大学の先生と我が家でこの内窓+ハニカムブラインドを使用した実験を行いましたがとてもいい実験データが取れたようです。興味がある方はこちらにお越しください。

Ⅱ 外壁・換気については同じ15%です。合わせて30%にもなりますがコストもかかる部位です。隙間がないか確認しあった場合に大壁構法にするかを検討したほうがいいかと思います。その際断熱プラスターボードも検討の材料に入れてみてください。蓄熱材が表面の近くになると輻射熱が有効的だと思います。換気は必要以上のものは塞ぎ最低限にしましょう。

Ⅲ 床から逃げる熱は7%と決して高くないのですが皆さんからの要望は床を暖かくしてほしい。ということが一番多いい用におもいます。これも先ほどお話ししたように床暖房を入れれば

満足度は高くなりますが、他の熱の流出を防がないことにはランニングコストがかさんでしまします。最低でも開口部の断熱をして床暖房を入れることをお勧めいたします。

優先順位の高い部位から行っていきましょう。

③どこの部屋を断熱しなければいけないか

家全体を高性能な断熱材でくるめれればいいのでしょうがコストの面も含め難しいのが実情です。

そこで優先順位というより下記の部屋すべてを全体的に断熱してください。

日常みんなといるリビング・ダイニング・キッチンとトイレ・浴室・脱衣室の水回りと高齢者の寝室と各部屋に行くための廊下です。

こんなにもとお思いかもしれませんが、すべての部屋をまんべんなく行わないといけません。ヒートショック等は温度差がいけないのです。

よく言われるのがお風呂ですが、寝室も暖かいお布団の中で冷たい空気を吸ってしますとヒートショックと同じような現象が起来ますし、暖かい部屋から暖かい部屋に行く間の廊下や寒いおトイレなど注意が必要です。なのでまんべんなく断熱を施工する必要があるのです。

以上リフォームの断熱の考え方を書きましたが、それぞれ住まわれてみての問題点や解決策はバラバラです。

ぜひ一度ご相談ください。お待ちしております。

 

 

 

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