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③-2 建物の仕様と見積もり金額について
建物の大きさが同じ場合の金額の差が一番出るのは何だと思いますか?
それは仕様です。仕様と言ってもいろいろありますが、私が今までコストの差がでると感じた仕様を今回は4つ書いていきます。金額は建物は35坪相当で計算します。
① 建物性能 建物性能とは 断熱材やサッシの性能及び性能を上げるための工法です(外断熱などは断熱を取り付けるための屋根と軒を出した屋根など2重に施工しなければいけない等含む)
これはコストに換算すると長期優良住宅の等級4からG2まで性能を上げるのに 80万~100万位かかります。
しかし建物性能が違うと光熱費が変わってきます。中間期はあまり変わらないとして梅雨から夏の4カ月と 12月~3月の4カ月間計8カ月間光熱費が8千円違うとすると年間6万4千円違います。(ちなみにG2グレードで全館空調されない方だと光熱費が2万円~8千円中間で1万2千円と計算し一般的な光熱費 2万円と比較)そうすると15年で元が取れる計算になります。
実際住宅の断熱性能はそう何度も交換はできませんし後で行うとなると多くのコストがかかります。当初のままという方が多い項目です。そうすると50年たつと220万も金額に差が出ることになります。仕様としては最重要検討事項です。
② 設備機器 設備機器の中でもキッチンやユニットバスがコスト差が出やすい商品です
キッチン本体のみ 普及版 38万 高級品 300万以上 kinocaでは当初見積もりで50万円くらい予算を取るようにしています
収納は別です。
ユニットバス 普及版 35万 高級品 100万以上
このような感じでトイレや手洗いなどもグレードを上げると金額の差が出てきます。お客様の中にはこの設備について重きを置かれる方もいらっしゃいます。
しかしユニットバス以外の設備は比較的交換が容易です。(同じ形状ならば)最初から予算が許せばいいのですが当面は普及版に近いものを使用し、その後使ってみてこの機能が欲しいやこんなキッチンが良かったというのを15年後交換。その時に理想のキッチンにするというのも一つの方法ではないでしょうか。
③ 外壁の仕様 外壁は面積が広いため仕様による金額の差が出やすいです。
表面に貼る種類(サイディングの種類や金属製サイディング・タイルなどの種類)によっても差が出るのですが、工法的にみた金額は以下のようになります
釘打ちのサイディング<金物サイディング<サイディングの上吹付<金属製サイディング=塗り壁<タイル貼
またサイディングの場合表面に貼る種類やジョイントのコーキングの種類によってもかなり金額が変わります。しかし上記の順番はメンテナンスをする回数が少なくて済む順番でもあります。
ちなみに一番ローコストで済むものから塗り壁までは100万円くらいの差が出ると思います。
しかし1回足場を組んで再塗装をする金額とほぼ同じ金額です。今回リフォームしたお客様お中には、軒無しのサイディングの建物でしたが12年でかなり外壁が傷んでいました。塗り壁や金属製サイディングは、そこまで今までの施工で傷んだ外壁を見ていないので、こちらよりはかなり長持ちすると思います。後悔するのであればここはいい外壁に変更することも検討に入れるところかもしれません。
④ 内壁の仕様 面積は広いですが仕様のコスト差が外壁に比べ少ないので思ったよりは差が出にくい所です。
床 合板フローリング<無垢フローリング≒畳≒タイル<石
壁 普及クロス<1000番クロス<塗り壁≒板張り
天井 普及クロス<1000番クロス<板張り
最近の合板フローリングの素材もよくなりましたので以前の様に日の当たる所は色がうすくなったり、はがれたり等はなくなってきたと思いますが、表面にコーティングがされているものが多いので素足で歩いているとペタペタする感じがどうも好きではありません。(個人的な感想でかつスリッパで歩けばいいのですが…)その点無垢のフローリングはさらっとして気持ちがいいので人が直接触れる仕上げ材は無垢材をお勧めします。
また壁は全部でおよそ200㎡あります。全部塗り壁にできればいいのですが、リビングと玄関廻りは意外と少なく多くて60㎡程度です。そこだけ塗壁にした場合2000円の金額差があっても12万円の差です。この金額は比較的大きな金額ですがクロスの場合は貼り換えが15年から20年くらいには必要になりますが塗り壁はこのサイクルが長くなりますし、下地がしっかりしていれば、この上から塗れるのでクロスの剥がして貼る手間よりは、コストが安くすみます。またこれは天井にも言えて板張りにしておくとほぼ貼り換えが無く済みます。特に吹き抜けなどは足場が必要なため特にコストアップと施工中不便をかけることになります。そのため塗り壁や板張りをお勧めします。
この様にどの仕様を選ぶかによっても金額差が出てきます。今回は主な4つをお話しましたが構造的なもの・防蟻的なもの・安心した住まい的なもの等まだ金額に反映されるところは数多くあります。どの仕様を選択して提案するのは工務店ですがその工務店を選ぶのは住宅を建てる方々です。最初の金額が安いから、デザインが気に入っただけで、建物を決めてしまうと後々多くのお金と、後悔の念が起きる可能性があります。自分たちのライフスタイルに合わせた住宅を手に入れ、長く安心して住むことが出来る住宅がいいのではないかと思います。