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インテリア 壁・天井材について 前編(壁の素材)
部屋の中で壁60%と天井20%と面積の多い部分です。今回は壁の素材についてお話します。
通常は壁も天井もクロスで仕上げることが多いと思いますが、このほかどんな種類があるのでしょうか?まずは壁に使われる材料を取り上げます。
Ⅰ クロス
クロスの特徴
クロスにもよりますがほぼ1m幅の生地をロール状に巻いてあるものをのりを付けて貼っていきます。比較的工期が短く済み生地が厚いと下地の不陸もあまり気になりません。しかしビニールクロスは表面に静電気を帯びることがあり、ごみを引き寄せます。またのりでクロスを貼っているので意外と湿気に弱い。そのため脱衣室の天井のような場所でははがれやすいので注意が必要です。ビニールクロスは日焼けがあり使用環境にによりますが他の仕上げ材に比べて早めの再施工が必要になります。
クロスの種類
①普及品のクロス 一番お求めやすい種類です。柄物は少なくアクセント以外の部分に使用されることが多い。 冊子が小さめなものに納められています。
②1000番台のクロス 柄・色の種類が多くアクセントクロスや自分のこだわりを出すときに使用することが多いです。 大きな冊子に写真付きで載っていてわかりやすいです。
③珪藻土入りクロス 機能性クロスとも言われています。普通のクロスに比べれば調湿効果もありますが薄いため塗り壁に比べると機能は限定的です。
③布クロス・和紙クロス・金箔等の特殊クロス 1000番台のクロスのカタログに載っていますがそのカタログの中でもより高価なものになります。和紙クロスは重ね張りと言って数センチ重ねて貼ります。そのためその部分が盛り上がったように見えます。
④ウッドチップクロス 木のチップを織り込んだクロスになります。ドイツ製のものが主流で基本的には塗装の下地材料ですが 素地でも使用できます。しかしジョイントは目立ちます。家全部をこちらで行い、最初はリビングのみをこの上に漆喰塗装を行って、残りの部屋は自分たちでDIYするのもいいかもしれません。
アクセントクロスを使用した例 クロス貼りの部屋
Ⅱ 塗り壁 塗り壁の特徴 左官工が手間をかけて作ります。そのためイニシャルコストは高くなるのですがクロスに比べ長い間綺麗な状態を保ちます。また表面に静電気を帯びていないため汚れが付きにくいという特徴もあります。アイキャッチにも使用してる私の事務所は15年前建てました。内装は今も標準使用している「けいそう君」で仕上げていますが、今も手が当たらない所の汚れは全く気になりません。
塗壁の種類
① 漆喰塗り 下地はプラスターボードに下地処理をして直接塗れるものもあります。しっくいは乾くと自分で固まる性能があります。そのため接着剤が入っていても少量の場合が多いです。割れ防止にすさ(繊維状のもの)を入れているものもあります。表面がアルカリ性のため風邪のウィルスが付きにくいとも言われますが、実証は取っていません。
② 珪藻土 珪藻土は七輪にも使われている粘土です。この粘土は気泡が多くあり熱を通しにくいことや、調湿効果が高いといわれています。実際壁に使う場合は厚さが薄いために熱を通しにくい点は発揮していませんが、壁は面積が大きいため調湿効果は高いと思います。ただ珪藻土には固まる機構はありません。そのために何らかの接着剤の要素を入れないといけないのですが、この気泡をコーティングするような接着剤を使用してしまうと本末転倒となるので成分も注意が必要です。ちなみに「けいそう君」は漆喰が接着成分となっています。
③ 聚楽壁 昔ながらの聚楽壁です。今は接着成分が多く入っているため、表面がぽろぽろ落ちたりすることはありません。わら入りのものなを使うと和のふいんきが出てよくなります。
④ 土壁 現在では竹小舞を組む職人が少なくなりました。なかなかできない工法となっています。また柱のチリ際なども注意して行わないと向こうが見えてしまいます。
わら入り聚楽壁 「けいそう君」で来たての壁 「けいそう君」15年たった壁
Ⅲ 塗装 塗装はその工程より下地を作る工程が大変です。パテをしてペーパー掛けをし、平滑にする。何度か下地の失敗で再施工を行ったこともありますが、しかし出来上がりはきれいです。
① 漆喰・珪藻土 ローラー用 下地処理を行ってその上に塗装したり、先ほど述べたウッドチップクロスの上に塗装をしたりできます。平滑になって綺麗ではありますが下地の処理がうまくいっていないと浮き出てしまいます
② SOP 上記同様下地よりを行って塗装をします。上記よりは厚くつくために下地が出にくいのですが、やはり内部空間は自然塗料を使いたいところです。
「シックのん」の施工事例
Ⅳ 板張り
① 無垢板張り 羽目板貼りとも言います。腰までだったり前面に貼ったり、また収納の内部に調湿効果のために貼ったりと、木の香りの効果などもありいいのですが人によっては木が多く見えるとうっとおしく感じる場合があるので使用割合の点は注意が必要です。いろいろな感じ方はありますが 45%程度が無難な数字かと思います。
② 合板貼 一度に多くの面を埋めることが出来るので簡単に木の感じが味わえます。しかし止め方の検討(一般的には背着材とフィニッシュ)は必要です
③ フローリング材をアクセントに貼る フローリングをそのまま壁に貼るのもアクセントになります。特にヘリンボーンの壁は重厚感があっていい感じとなります。
④ 板を加工(特殊彫)にしたものを貼る
特殊加工した板を使用 合板を目透かしで貼った事例
Ⅴ 石・タイル貼 タイルや石貼は重厚感が欲しい時にはそのような柄を、明るくかわいくしたいときにはそのような柄を選べばよく、部屋のアクセントには重宝します。
① タイル貼
② 石貼
その他金属やガラスといったものを含めるとすごく多くの種類があります。
この様に今回は壁についてお話しました。壁は部屋の中でも面積割合が60パーセントと割合が高いので部屋全体を柄が多いものにしてしますと大変になります。自分の個性を出しながらも(アクセントとして使用するのがいいと思います)基本は無地のもで配置するのが良いかと思います。先ほども話しましたが、木視率という言葉があり、木が見える割合で45%程度が落ち着くと思います。これは精神的に安定する木の割合と言われまれています。床と天井を木にすると約40%残り建具なんかを木質系にするとちょうどその割合かなのかもしれません。
それでは次回は天井の素材についてお話します。