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№3-3 木の特性③
今日は住木センター発行のQ&Aから素材をピックアップいたします。
いろいろ面白い専門記事が書かれていますので興味がある方は是非お読みください。ちなみにちょっと高い¥3,200でマルゼンさんから「木材と木造住宅Q&A」というタイトルで発行されています
Q環境保全の面から構法の比較をしてください。
A 136㎡の建物を建てるときの建築中のCO2排出量
木造住宅 1:鉄骨造 2.87 :コンクリート住宅4.24
※木造住宅を1とした場合の排出量で木造住宅の過半数は基礎の作成によるものです
上記の比率に加え木は成長過程でCO2を取り込み炭素(C)として取り込んでいるので、136㎡の家には6tもの炭素が蓄えられています。燃やして±0となります。
ただし木材も乾燥過程で石油系のエネルギーを使うと、この数値は出ませんので天然乾燥もしくはバイオマス乾燥をしないといけません。集成材を作成する際も接着剤を利用したり高温乾燥いたしますのでこの数値にはなりません。
Q伝統的な木造で壊れず残っているものがあります。地震に強いと考えてよろしいでしょうか
A法隆寺の5重の塔は1300年 奈良の正倉院は1200年前に建てられた建物です。幾度かの地震にも耐えています。
この2つの建物とも現代の構法とは違う工法で建てられています。
法隆寺・・・五重の層及び心柱の揺れ方にあります。5重の層は堅固に固めておらす地震時には互い違いに揺れエネルギーを吸収します。また心柱はかんぬきのように動き揺れを収めるそうです。
正倉院・・・こちらは現在のログハウスと同様で積み重ねた木同士が揺れることによってエネルギーを吸収することです。
どちらの構法も現在のかっちり固めるものとは違い揺れのエネルギーを吸収し建物を地震から守るようにしています。これは現在の制振構法に近い考え方かもしれません。
Q木材は製品になってからも生きていいるといわれますがどのようなことですか?
A木は立木の時から中心部は死んでいます。(木化したといわれます)辺部分で細胞は大きくなろうとし水も上部に動かします。ではなぜ生きているといわれるかというと調湿することでそのような表現になっています。立っているときの含水率は200%これから自由水がなくなる30%までは比較的下がりやすいのですがこれから細胞の中にある結合水が抜けるのに適切な方法が必要になります。それでも含水率は0になることはありません。しかも空気が乾いているときには木の水分を放出し、湿度が多い時には吸収します。このことで生きているという表現がされています。
Q木のぬくもりとは
Aそれは2点あります
1点目は熱伝導率により実際に熱を通しにくいため触ったときの感じ方です。実際木と鉄を比較すると木のほうが1/500程熱を通しにくいのです。
2点目は木材が暖色系の色をしており見た目が暖かく感じることと、目に有害な紫外線の反射が少なく目にやさしい材料だからです。また木材の表面の凹凸により光も適度に散乱させギラギラ感がないため暖かい印象を受けます。
今日のところはここまでにします。