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№4-3 断熱 +α
前回までリフォームと新築について断熱の考え方を書きましたが今回は日常にある温熱環境の要点についてお話します。
①壁や床、窓の表面温度を室温に近づける
室温は低くないけれどもなんとなく寒く感じる...といった経験はありませんか?これは実際に人が感じる体感温度と室内温度のギャップによるものです。
体感温度はその室内の外部に面した表面面温度と室内の温度を足して2で割った数字に近いといわれています。そのため図のように同じ室内温度20度設定でも、断熱の低い住宅は15度に感じ断熱の高い住宅は19度に感じるとなります。断熱の低い住宅も高断熱の住宅と同じ19度に感じるようにするには室温を28度まで上げないといけません。この室内の温度差は不快にも感じますし、暖房費用も多くかかるということになります。
②足元の温度を上げる
寒さの原因を感じるのは足元の冷えがあります。これは断熱不足と気密がとれていないことが原因に挙げられます。開口部や隙間からの冷気は下に降りてきますのでどうしても足元が寒くなりがちですし、人も足元が冷えることは敏感に感じます。そのために断熱強化とともに気密を取る必要があるのです。新築はちゃんと施工すれば気密は取れますが、既存の住宅は簡易的なリフォームでは一定以上の気密をあげるのは難しいです。そのため足元を温めるために床暖房をご提案することがあります。新築でご提案している断熱性能があれば床暖房は入れなくて大丈夫です。
③屋根・西日からの日射を遮る
冬場は暖かい日差しは貴重ですが夏場の日差しは避けたいものです。ちなみに夏の屋根の温度は70度以上になることがあります。この過酷な状況の元室内に熱を入れない方法は次の通りです
Ⅰ 反射材を使用し熱を跳ね返す。
屋根のルーフィング及び外壁の透湿防水シートを遮熱性のあるものにし、熱を反射させます。そこで入ってくる熱を少しでも減らします。
Ⅱ 通気層を確実に施工し、屋根上で確実に排出できるようにいたします。
これは一般常識ですが、なかなか確実な通気の施工ができているところは少ないように感じます。窓回りも空気の動きをわかって胴縁等の施工をしなければいけません。棟部分
で確実に熱を排出し、雨水の流入を防ぐようにもしなければいけません。
Ⅲ 屋根断熱を強化します
断熱を強化することで屋根が受けた日射が室内に入ることを防ぎ、最上階の熱さを和らげます。これが熱を入れない基本中の基本です。遮熱だけでは熱は完全に防げません。
Ⅳ 蓄熱の多い材料は夏場の暑い日が当たるところは避ける。
夜になっても暑くて寝苦しいと感じることはありませんか?
これは熱帯夜等温度が下がらないの直接的な原因のほかに、熱量を多く蓄える材料が日にあたって夜でも冷めないことも考えられますす。熱を日中たくわえ、熱くなったものが夜に
なっても冷めず、熱を少しづつ排出しているのです。熱量を多く蓄える材料は コンクリート・瓦・土壁等です。うまく使えば冬場はよいのですが、夏場はよく考えないとい
けません。そのため軽くて、熱しやすく冷めやすい金属製屋根をお勧めすることが多いい状況です。
このような要点を抑えつつ現状素材を決めています。詳しいお話は直接お話しできればと思います。次回は通風についてお話しいたします。