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建築知識

今回の白蟻対策  

前々回アメリカカンザイ白蟻のことについて少しお話いたしましたが、今回の着工中の白蟻対策についてお話いたします。

 

当社では家を長持ちさせるためには、湿気を呼ばないことが重要であると考えており、漏水と結露をさせない家が最重要と考えてすべてを計画しております。そのため建物を結露から守るため基礎まで完全外断熱とするところから計画を進めております。それに付け加えお客様から今までの白蟻(地中から侵入するもの)に加えアメリカ乾材シロアリ(飛んで乾いた木にも住みつく白蟻)にも対応してほしいという要望をうけました。

そこでお客様とともに一度優先順位を整理しそれぞれの白蟻の特徴を検討し対策を考えました。

優先順位

① 防蟻材を家の中に散布するのはホウ酸のみ(薬剤は家の中はNG)

② 防蟻処理は半永久的なもの

③ ランニングコストが少なくすむもの

白蟻の特徴

白蟻は大きく分けて地中からくるもの(イエシロアリ・ヤマトシロアリ)と飛んでくるものアメリカ乾材シロアリと2つの対策が必要です。それぞれのアリの特徴は

イエシロアリ・ヤマトシロアリ

進入路は地中からです。湿った暗い場所を好みます。

暖かいい地域で、土壌から働きアリが侵入し蟻道を形成して木材まで達します。乾いたところでは行けないため、湿気があるところを好みます。乾いている場合は水を運びながら木材を食べていきますが白蟻自体は好んだ環境ではありません。そのために進入路を防ぐとともに建物を乾燥させる必要があります。

今の梅雨の前後にはねアリとして飛んでいます。羽ありを発見すると近くに白蟻がいる可能性があります。また黒アリはシロアリが好物らしいので黒アリが家の中にいる場合もシロアリがいる可能性がありますので注意してください。

 

アメリカカンザイシロアリ

こちらも暖かい地域を好みます。字のようにアメリカから来た外来種となります。1976年江戸川区で発見され乾燥材の含水のみで生きていけます。大きなコロニーは形成しませんが、家の中いくつも分かれ浸食していきます。木材を食べた後には断面が星形をした糞が多数散乱します。

アメリカカンザイシロアリが多く生息しているところは、その糞が外壁の下のところにあったりします。こちらは進入を防ぐ対策と、シロアリに木材を食べられないように、処理をしなければなりません。

対策

ヤマトシロアリ・イエシロアリ(地中からくるもの)の対策

① 防蟻シートをベタ基礎の下に全面敷設・防蟻対策が付いているスリーブを使用

② 基礎外断熱材を白蟻対策が施してある断熱材を使用する

③ 白蟻が万が一断熱材の間を通て来た場合土台の下に気密パッキンで白蟻返し付きのものを使用して対応する

④ 打ち継ぎの部分はシロアリの侵入の可能性があるので防蟻対策・止水対策として止水板を入れる

⑤ 基礎に続く一体打ちの設備基礎・勝手口は離す。(蟻道が見えるようにする)

⑥ 玄関部分の打ち増は注意する

⑦ それでもシロアリが寄ってくる場合基礎の外の土壌に薬剤を注入できるように最初から施しておく

⑧ 家全体をホウ酸処理

⑨ 湿気を呼ばないために完全外断熱を行う

⑩ 床下も換気を十分行うようにする

⑪ 白蟻が侵入しそうなところ(設備配管・打ち継ぎ)に防蟻対策済の固まらない専用シールを施す

アメリカ乾材シロアリの対策

① 家全体をホウ酸処理を行う

② ホウ酸のダスティング処理を床下・天井裏・壁体内行い、シロアリやゴキブリなど虫が住みにくい環境を作る

③ 外部に木が見えるヶ所を少なくする

以上のように何重にもシロアリの対策を行いました。実際の構法としては次回の構造見学会の時にお話をしたいと考えています。

ちなみに4つの防蟻の保証の組み合わせになっています。私も今考えられる対策全て行った感があります。

白蟻が住みにくい環境というのはゴキブリも住みにくい環境となっています。

そのためゴキブリなどの虫への対策としても有効な処置といわれています。そういう方も是非お問い合わせください。

 

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