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建築知識

№4-6 太陽と家のあり方2

年の瀬を迎え随分あわただしくなりました。今年も実家ではしめ縄づくりの季節になり準備に余念がない状況です。

太陽光と周囲の建物の条件

前回は太陽光と家の向きを中心にお話しましたが、今回は太陽光が家にどのように当たるのかからお話しします。

通常リビングの南側は4m開ければ太陽の光が入ります。と言われますがこれは季節と南側に建つ建物によって変わってきます。

南側に桁高6m(通常の2階建て)のいえが横に長くたった場合の南側4m開けた場合の冬至でのシミュレーションです。

ご覧のように冬至の一番条件が悪いとき一階リビングにはほとんど光が入ってきません。

ちなみに南側に平屋建てが立っていた場合はというと以下のようになります。

リビングには多くの光がはいってきます。しかし敷地には光が差さないので植えるものは注意が必要です。

ちなみに南側に条件が悪い建物が立ってもいいようにどれくらい離せばいいのかというと6m以上は必要かと思います。

これがこちら

6m+隣の敷地90CMほど離れていると一番条件が悪い冬至でもある程度の光が入ってきます。

よって新しい宅地で南側の敷地に平屋が立っていれば境界から4m離したプランで充分ですが、南側にある建物が古い場合や、これからどんな建物が建つかわからない造成地の場合には6mの空きが必要と考えます。

 

ちょっと発想を変えて前回お話した西側に少し振った場合はどうでしょうか

これは南側(敷地が30度振ったように見えますが北が時計でいうと10時半の方向を指しています)は一番近い所で3mですが光は均等に差し込んでいます。東面・南面ともに2階建ての建物が大きくたった場合で東側の建物は4m南側を開けた場合のシミュレーションです。

ちなみに夏至はどうかというと

この様に角部分は光が多く入っていますが室内はほぼ入ってきていません。この建物は総2階を想定しており軒が高い所にあります。角部分に軒を提案するとここの日の入りは解消できるでしょう。

太陽の光を遮る方法

太陽の光を遮る方法ですが夏場どんな方法で遮られていますか?

方法は以下のものが挙げられます

①庇によるもの ②ガラスの性能によるもの(LOW-Eガラス)③カーテンレース・内付けブラインド④内障子⑤すだれ・外付けブラインド・外付けスクリーンが挙げられます。

これらの効果ですが

①の庇ですが南側に出せば遮蔽はできますが、今度は中に入ってくる日差しを遮るため冬場はどのくらい入ってくるかの検討が必要です。以前もお話したかもしれませんが太陽高度が低い方向(西・東・北)面はほぼ遮りませんので庇は意味がありませんので注意ください。

②ガラスはLow-Eガラスという複合ガラスの内側に金属皮膜を行ったものがあります。これは日射取得型Low-E複層ガラスと日射遮蔽型Low-E複層ガラスがあります。この違いは複層ガラスの中空層に金属皮膜をするのですが、複層ガラスの室内側のガラスに被膜を行った場合に取得型となり、外側に被膜すると日射遮蔽がたとなります。取得率は2割程度遮蔽型が高くなります。そのためkinocaでもLow-Eガラスを使用しますが、南面は夏場太陽高度が高いため、ガラス面に日射が当たらないので冬場の日差しを入れたいので取得型、それ以外の面は太陽高度が低く遮熱性を確保したいため遮蔽型を使用します。

③カーテンやレース等も効果がないわけではないのですが、内側につけるより⑤のすだれのように外側につけるのが性能的には倍以上の効果があります。特にすだれやスクリーン等冬場など日を取り込みたいときには収納できるものだと夏場の遮りたいときには遮り、冬場は日射が取れるのでとても重宝します。特に外付けスクリーンはお勧めです。

④内障子ですが内付けなので外付けのスクリーン等には遮蔽性能はかないませんが、カーテン等に比べれば性能は格段に高いです。しかも内障子のいい所は冬場です。どうしても開口部は断熱性能が弱い所なので内障子を設けることで断熱性も格段と向上させます。

以上いろいろうんちくを語ってきましたがまだまだプランにいれたいことはあります。敷地に建ち周囲の環境を読み解くことが第一の条件だと考えていますので何かありましたらご相談ください。

 

 

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