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木材の価格動向についてのウソ・本当
今すべての価格が高騰しています。建築業界も同様です。
建築業界の木材はアメリカ・中国の好景気によるウッドショックに始まり、ロシアの侵略によるロシアからの木材の輸入禁止による合板の価格上昇が顕著です。
木材と合板の価格の高騰ですが、通常いわれている内容と現実については若干相違があると思うのでその点についてお話いたします。
まずウッドショックの件ですが当時アメリカの米松が入ってこないから高くなるといわれていました。
しかし現実はコンテナの減少で欧州材は入ってきづらくなっていたようですが、今まで一定の米松取引をしてきていたところは材料が入らないということはなかったそうです。「現実米松を専門に製材している業者は材料が入らなくて困ったってことはなかった」と言われています。ただアメリカの好景気は事実で価格は上昇したそうです。デマかどうかはわからないのですが材料が入ってこなくなるという内容の文章が出て、みんな(商社や大手企業)が買いに走っていったのです。そのため想定以上の価格になり、今まで外国の材料を使っていた企業が国産材を使うようになりました。そのため国産の木材の価格が上昇と不足が生じたのです。
ただ価格上昇だけで終われば材料不足まではいかなかったのですが、国産材も買い占めが始まったのです。そのため材料自体の不足が始まり価格の高騰が一層進みました。昨年の夏以降は材料の質も悪くなったと聞いています。現在は欧州・ロシアからの材料は入ってきづらい状況にありますがその他の材料については材料の数量は確保できているところです。ただ価格は高止まりのままです。特にロシアからの材料で合板を作っていましたので、この材料が入ってこなくなった影響で合板の価格が2倍になっています。これは西日本では国産材の合板を作っていましたが、東日本の工場ではロシア産のカラ松を使っていたからです。その工場では材料の転換がうまくいっていないため国内全般で材料不足が出てきて価格高騰になっています。
現在は国産の材料(杉やヒノキ)は価格の状況も受け山からは一定量が出てきています。そのため材料の数量は安定してきています。逆にだぶついている地域もあると聞いています。ただ一旦価格が上昇したのが市場では下降気味なのですが製品として工務店に納入されるのは価格が高いままです。今後この矛盾については突き詰めていかないといけないと考えています。合板については先ほども言いましたが2倍の価格になっています。この価格は通常の木材の価格・施工手間の価格から考えても製材から考えても異常な価格です。この価格は私一人でどうこうはできませんが動向は注意しながら見ていきたいと考えています。
通常は山から木を伐り出した場合 製材 でとりにくいもの 間柱・集成材 でとりにくいもの 合板用材料 でとれないもの バイオ燃料 となっていますが、あまり規格にうるさくない合板材料の金額が製材に近い値段になっているために山から出す材料も合板に充てられている状況です。これはいけない動きだと思います。製材として使えるものは製材として使ってもらいたいものです。
製材業者からの声ですが、このような状況なので山から出る材料は4m材しか出てこないというのです。なぜかというと合板用として出す場合は 2mが2本とれる4mがありがたいのです。ところが合板の材料と径級が近い柱の材料は3mが主流なのです。(階高が3mまでのところがほとんどだからです。)そのため製材業者は3mの材料が欲しいのだけれど市場にないので4mの材料を購入して3mに切断しているそうです。すべては捨てないにしても1mの材料が使える場所は限られているので、その分も価格に転嫁されているそうです。
この様な話を聞いているとウッドショックによる価格上昇は実際は人為的な価格上昇の様な気がしてなりません。またロシア材が入ってこなくなることには目をつむるにしても、それによって買い占めや、柱材の不足などは何とかできそうな事なのですができていない。この様な状況に心が痛くて仕方ありません。現在も木材の見積もりをお客様に提出するところですが、心苦しくて仕方ありません。今いろいろな製材業者・森林組合さんを回らせていただいて話を聞いているので分かる問題です。
今後早期の改善ができる様私なりにも行動をしていこと考えています。