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建築知識 お知らせ

№5-1 外装の選び方 屋根

久しぶりの知識編再会です。

今回は屋根についてお話いたします。屋根は熱い日差しや風雨にさらされ、劣悪な環境でありながら、長期に耐えて住む人を守らなければいけない重要な部位です。材料の選定には充分注意が必要です。

屋根はかつて茅や藁のような身近にある草、またはヒノキの皮なので葺いた檜葺き、そして針葉樹を薄く裂いて葺いた屋根材が使われてきました。昔は瓦は高価なものでお城等一部の建物しか使われず一般住宅は身近で手に入るものを工夫して雨をしのいでいました。わら葺き屋根は雨を防ぐためにストロー状の藁を何本も束ねて下にしみる前に屋根から落として使用するため、藁の厚みが厚くし屋根の勾配を急にすることで雨の侵入を防ぎました。このようなその土地で入る草木を使い、雨の漏らない様な構造にすることで同じような家の形ができ、そのことで田舎の風景は構築されました。屋根材によってそこの地域の田園風景ができていたといっても過言ではありません。

しかし現在は上記のような近くにある素材(草木は)は屋根は燃えてしまうため、屋根を不燃材で造らないといけないという建築基準法に合致しません。そのため瓦や他の素材での施工が必要となっています。ちなみに差し掛けやカーポートの屋根も都市計画区域内では不燃材料で造らなければいけないので、不燃材のポリカーボネートを使う必要があります。

それでは次に今使われている一般的な屋根材の説明をいたします。

①瓦屋根(洋瓦・和瓦)②スレート屋根 ③ガルバニウム鋼板を使った金属製屋根 ④アスファルトシングル ⑤その他

① 瓦屋根の特徴

A 重さ:一番重い  B 耐久年数 :陶器製のもの50年以上 C 適応屋根勾配 基本4寸勾配(2.5寸対応の瓦も出てきています) D工事費 比較的高い

瓦の産地は愛知県の三州瓦・淡路島の淡路瓦・島根県の石州瓦が3大産地となっています。現在技術も向上し瓦の精度も向上しまたデザイン性の高い物(フラット瓦・洋瓦(南欧風))も出てバリエーション豊かです。山口は石州で赤瓦が焼かれておりこれを使用したため赤瓦の地域となっています。新幹線の車窓から見える風景も広島のあたりから山口に近づいたことがわかるのはこのためです。

メリット 〇耐久性に優れている

〇バリエーションが豊かで和風から洋風モダンまで対応できる

〇部分補修ができる

〇比重が重いので下に雨音が響かない

デメリット 〇重いので他の工法より地震力に耐える壁が必要になる。

〇工事費が高くなる

〇物が飛んできたときに割れやすい

〇雨は下の防水紙にて完全防水となる

② スレート屋根(コロニアル)

A 重さ:軽い  B 耐久年数 :20~25年程度 10年に一度塗装 C 適応屋根勾配 基本4寸 D工事費 安い

メリット 〇瓦より軽いため同じプランであれば耐震性が高い

〇部分補修ができる

〇デザイン・カラーが豊富またすっきりとしたデザイン

デメリット〇塗膜が劣化すると棒部位性能がなくなるためと相当のメンテナンスが必要

〇物が飛んできて割れ安い

〇雨は下の防水紙にて完全防水となる(雨水の侵入は瓦より少ない)

〇水分が滞留しやすいためコケ等が生えやすい

〇遮音性は瓦に劣る

③ ガルバニウム鋼板を使った屋根

A 重さ:軽い  B 耐久年数 :30年以上  C 適応屋根勾配 基本2寸(防水下地を使用すると瓦棒形態であれば0.5寸対応可能) D工事費 高い

メリット 〇非常に軽いため同じプランであれば耐震性が一番高い

〇すっきりとしたデザイン

〇蓄熱しないため夏場の夕方から夜にかけて放熱しない。

〇メンテナンスがほぼ不要(ガルバニウム鋼板が出てきて30年近くたっているが今のところ不要今後の経過を見る必要がある)

デメリット〇へこみやすい

〇遮音性が低く音が反響する

④ アスファルトシングル

A 重さ:軽い  B 耐久年数 :10年~20年  C 適応屋根勾配 基本3寸(防水下地を使用すると瓦棒形態であれば0.5寸対応可能) D工事費 価格差がある

メリット 〇柔らかいため複雑な屋根に対応でき防水材のため防水性が非常に高い

〇スレートの半分くらいの重量のためリフォーム等で耐震性向上が期待できる

デメリット〇水分が滞留しやすいためコケ等が生えやすい

〇軽量のため強風に弱い

〇アメリカ・カナダでは実績が高いが日本では普及していない

〇再塗装時にむらができやすいので技術が必要

⑤ その他として

〇ジンカリウム鋼板屋根・・・基本ガルバ鋼板の屋根ふき材ですが表面に石がついているためガルバより遮音性が向上

〇銅板屋根・・・古来より屋根材として使用されており和風住宅に適している。施工すぐはまぶしいがすぐに緑青(銅板の経年変化による錆)が発生し落ち着いた屋根になります。 一般部分の使用は問題ないが谷部分は酸性雨や瓦の釉薬の影響で穴が開きやすい

〇セメント瓦 ・・・セメントでできており瓦の形を模しているが、15年程度で再塗装等のメンテナンスが必要。寿命も30~40年と瓦より短い

〇折版屋根・・・倉庫等の屋根に使用されることが多く金属屋根で勾配が緩くできる。立ち上がりとの取り合い部分や面戸部分のおさまりに注意が必要

〇石・・・風合い等いいのですが材料が高価になること、施工も特殊なため検討が必要です。防水は必ず下の防水層できっちり施工しなければいけません。

 

以上屋根の素材についてお話いたしましたが現状、トータル的にガルバニウム鋼板ならびに瓦屋根を提案することが多いです。

どの構法も一長一短はありますが建物が100年、(もしくは自分たちが建物を維持管理する期間)のロングスパンで費用がどれくらいかかるかを検討して素材を毛まなければいけないと思います。ご質問等ありましたらお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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